家賃と管理費・共益費の違い・用途を解説

共益費管理費の違い

家賃に併記されている「管理費」「共益費」とは何か

賃貸物件を探していると、掲載されている家賃の他に「管理費」や「共益費」といった名目が追加されているのをよく見かけます。

管理費と共益費はどちらかだけということもあれば、「管理・共益費」といったようにまとめて記載されていることもあるものです。

実務的にはこの管理費と共益費は厳密に分類されているものではなく、どちらも同じような意味で使用をされています。

意味はいずれもその建物の共益部分の維持・管理に使用されるという点では同じです。
具体的には電気配線や水道・ガスの配管、浄化槽といったものの管理費用です。

逆に管理費や共益費を全くとらない物件もありますが、これも管理費用がゼロというわけではなく、大家さんの意向で家賃の中に管理費用が含まれています。

管理費や共益費がいくらであるかを必ずしも示さなければいけないという決まりはありませんので、いくらに設定してどのような用途に使用するか、ということは管理をするオーナーさんや不動産会社の意向によることになります。

ではなぜ管理費や共益費を書いたり書かなかったりするかというと、それは敷金や礼金、または更新料の計算金額が変化してくるからです。

通常敷金礼金、更新料は家賃の何ヶ月分という計算をしますので、管理費や共益費が別扱いになっているとその分合計金額が安くなるというメリットがあります。

同じ物件でも管理費・共益費が異なることもあります

大きなタワーマンションなどでは、同じ建物の中でも間取りや用途、使用する設備が大きく変化するものです。

そのため管理費・共益費は物件内で必ずしも一定というわけではなく、負担割合の大きな世帯とそうでない世帯があります。

場合によっては同じ建物なのに管理費が4~5倍も違うということもあるようです。

管理費をいくらにするかということは家賃同様個別で契約をする事項になりますので、入居している人で管理費や共益費の金額に不服がある場合は、管理会社やオーナーに交渉をしてみてもよいと思います。

一般的に管理費や共益費が高額になる傾向にあるのは、エレベーターやオートロック、防犯カメラといった設備を多く使用する高層階です。

反対に大きな建物であっても、エレベーターを使用しない1~2階の部屋ではそこまで高い費用を徴収しないということもあります。

なお、管理費用として集めたお金をどのように使用するかといったことを細かく報告をする義務はありません。

管理費用を徴収しているにもかかわらず共有部分の設備が管理されていないと感じたら、そのことも訴えてみるとよいでしょう。

使用目的としてはインフラ設備のメンテナンスや電球など消耗部品の交換、また清掃費用なども含まれます。